ミヨー(1892~1974)は2台のピアノの為の曲を5曲ほど、2台のピアノと他の楽器の編成を数曲書いています。そういえば同じフランス6人組のひとりプーランクも2台のピアノの為の協奏曲という有名な曲がありましたね。フランス6人組といえば、反ロマン・反印象主義、20世紀的音楽の多調性とポリリズムを探求した軽妙洒脱な作風で知られていますが、ミヨーはさらにフランス大使の秘書としてブラジルに滞在した時に出会ったサンバやショーロといったブラジル音楽やジャズにも大きな影響を受けています。
「スカラムーシュ」は委嘱により書かれた2台のピアノの為の組曲で、子供のためのドラマ「空飛ぶお医者さん」の付随音楽を改作して作られました。「スカラムーシュ」というのはイタリア喜劇にお決まりのように登場する道化役のことです。この曲が発表されるとピアニストたちを中心に大絶賛を浴びたのですが、ミヨーはあまり好きではなかったようです。たまにありますよね、チャイコフスキーが「くるみ割り人形」が嫌いだったとか・・・。
●演奏上のアドバイス
第1曲目ヴィフは元気に、活発にという意味です。天真爛漫に始めましょう。伴奏のリズムの変化を活かして生き生きと演奏してください。Aの3-4小節目の様に何パートかで1つのメロディーを構成している箇所があります。噛み合わせがうまくいくように練習してください。その後いくつかのテーマがめまぐるしく現れます。まるで落ち着きのない子供のようですが、キャラクターをはっきりさせて演奏しましょう。
第2曲モデレは牧歌的でもあり子守唄のようでもあるブルースで始まります。Bからは素朴なかわいらしさを表現してください。Cからは細かい付点のリズムが多いですが、弾みすぎず流れるように演奏してみましょう。
第3曲ブラジレイラ(ブラジル女)はサンバです。ラテン・ポップスを演奏するつもりでノリノリでいきましょう。小物パーカッションを加えると更にゴキゲンだと思います。出だしの低音楽器の伴奏はリズミカルに、でも短くなりすぎないように響きを残してください。Fからは弾み過ぎないようにややルーズに演奏してみてください。バスクラのソロは器楽的でなく、歌のように演奏すると味がでるかと思います。(かとうまさゆき)
新潟県立巻高等学校卒業。武蔵野音楽大学でトロンボーンを坂本辰則氏に師事し卒業。
1993年から2008年までオブロークラリネットアンサンブルの代表を務める。2009年1月にクアトロ・パッツァを加藤純子と共に立ち上げる。
世田谷学園、世田谷おぼっちゃまーずとオブローの為に多数アレンジをしている。
2bv4blgndh34
〈11月〉会員限定クーポン(対象商品:フォスターミュージックの出版物)
対象カテゴリ
会員限定
¥1,000 OFF
残発行枚数:76
下限金額:¥5,500
有効期間:2025/11/01 ~ 2025/11/30