作曲のきっかけとなったのは、アンサンブルコンテストでドビュッシーの『弦楽四重奏曲』をクラリネット六重奏で演奏する団体が非常に多いと感じたことだ。弦楽四重奏のレパートリーを六重奏に拡大してまで演奏しなければならないほど、オリジナル作品のレパートリーが不足しているのではないかと思い、作曲に至った。
作品の概要としては、約1分で一巡する6つの性格的な断片を4回繰り返すことで成立している。(正確には、トリルによるプロローグが各群の冒頭に挿入されるため、7つと捉えられるのだが) その4回の繰り返しの中で、6本のクラリネットがそれぞれバラバラに動く状態(1本×6群)から、次に2本×3群、3本×2群となり、最終的にはユニゾン(6本×1群)に至るプロセスが描かれている。
ここで取り上げられる「性格的な断片」は、クラリネットの機能や特徴を十分に活かしたものとなっている。
(-) トリル(プロローグ)
(a) スタッカートによる点描とテヌートによる持続音のコントラスト
(b) 様々なアルペジオ
(c) レジスター・キーによる跳躍
(d) 同音連打
(e) 速い装飾音符が付き
(f) 重音奏法
なお、(f)で使用する重音については、作曲者自身が実際に試奏し、演奏困難ではないと判断したものに限られている。(山本哲也)
国立音楽大学大学院修士課程作曲専攻、フランス・リヨン国立高等音楽院第2課程作曲科、ベルギー・モンス王立音楽院修士課程指揮科を修了。
これまでに久石譲主宰「Music Future Vol.9」第4回Young Composer's Competition優勝、第14回オルレアン国際ピアノコンクール作曲部門A.シュヴィロン=Y.ボノー作曲賞、イル=ド=フランス国立管弦楽団の作曲コンクール「 le de cr ations 2018」優勝、第6回A.ドヴォルザーク国際作曲コンクール第1位および特別賞、日本現代音楽協会第27回現音作曲新人賞などを受賞。
2024年10月にはベルギー・シャルルロワで開催された第42回アンドレ・シャルリエピアノコンクールの課題曲に『ソリチュード』が選出、2018 年にはラジオフランスの番組「Cr ation mondiale」にて、オーケストラ作品『In the circle...』を中心とした特集が放送された。
2025年現在、国立音楽大学非常勤講師、日仏現代音楽協会会員、アンサンブル・リカレンス音楽監督/指揮者。
WEB: http://www.tetsuyayamamoto.net
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