本作品は、東邦音楽大学のトロンボーン科の学生諸君を長年指導されている 吉川武典氏から作曲のご依頼をいただき、制作した作品です。2023年3月の定期演奏会で初演された「コラール」に、一年後「パッサカリア」を新しく書き加え、2024年2月26日に全曲初演となりました。
元来「コラール」とは讃美歌のような長く伸ばす音で構成されている楽曲を指すことが多く、本曲にもそのような要素は多々含まれていますが、自由な発想で書き綴りました。また、「パッサカリア」はその起源をさかのぼると16世紀頃からこの名称を持つ楽曲が生まれています。同名が名づけられている楽曲には、三拍子で書かれているものが多いですが、本曲では五拍子で進んでいく部分が多く、一般的に持たれている「パッサカリア」のイメージとは重ならないものかもしれません。しかし、その言葉の持つ語感から本曲に相応しいタイトルであると思い名づけました。
一般的にはトロンボーンは、強く大きな音を得意とし、オーケストラの中でも 屋台骨となり全体を支えているというイメージが強いかと思います。しかし、実は強弱はもちろんのこと表現の幅は大変広く、楽器が持つ音色の豊かさ、表現力の幅広さには、その生の響きに触れるたびに驚かされます。トロンボニストが8人集まると、そこで繰り広げられる世界には無限の広がりがあります。
本書をお手に取ってくださった方には、ぜひそのサウンドを再現して頂けることを願っています。
(2024年5月 高嶋圭子)
※吉川武典氏の「吉」の字は本来、土+口の表記となります。また、高嶋圭子氏の「高」の字は、はしご高となります。システム上表示ができないため代用しております。
香川県高松市生まれ。広島市出身。
4歳からピアノを始め、中学高校時代では部活動で合唱に熱中。高校二年より和声学・作曲理論を学び始め1982年東京藝術大学音楽学部作曲科へ。卒業後の1987年、パリ・トロンボーン四重奏団初来日の際にアンコールピースとして「夕やけこやけ」「わらべうた」を提供して以来、トロンボーンに関わる作品が多い。
トロンボーン四重奏のための「パスピエ」「メモリーズ」「スクエアダンス」「古都三景」「出逢いは、はじまり」「ふるさとのうた」「四季の詩」「ハナミズキの祈り」「砂の丘を越えて」など、またトロンボーンとピアノのための作品として、ミシェル・ベッケ氏のソロアルバムにも収録されている「幻想五木の子守唄」をはじめ、ソナタ「風花賛礼」「夜の静寂に」「春の呼ぶ声を聞く」などがある。合唱曲としては、落語を主題にした「時そば」(混声合唱)、女声合唱組曲「京都の恋(詩:黛まどか)」「花だより(詩:高橋うらら)」など。ピアノ曲としては「ピアノ発表会物語」がピティナ・ミュッセ(インターネット上の楽譜配信サービス)にて好評配信中。
1998年に広島で行われた国民体育大会では、開会式・閉会式のファンファーレを作曲。一般社団法人全日本ピアノ指導者協会正会員。
※高嶋の「高」は、はしごだかが正式です。システム上表示ができないため代用しております。
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