チャイコフスキーの音楽は、数あるクラシック音楽の中でも極めてロマンチックかつドラマチックで、聴き手の心を強く揺さぶり、知らず知らずのうちに惹き込んでしまう魅力を持っています。
この交響曲第4番は、本来は管弦楽による全4楽章から成る古典的な形式の交響曲です。標題はついていませんが、全曲を通して、作曲者自身に降りかかる暗い運命に対する絶望とあきらめ、幻想、そして運命に対する勝利が描かれていると言われています。
第4楽章では、このうち「運命に対する勝利」の音楽が表現されています。曲は、最高に明るく元気に始まりますが、すぐにセンチメンタルな第2主題が現われ、さらに終盤では重く決然とした第1楽章冒頭の”運命のテーマ”が再現され、暗い運命が影を落とします。しかし、最後には明るい希望が打ち勝ち、喜びのうちに曲が閉じられます。「喜びのうちに」とはいうものの、曲を結ぶのは明るく響く長調の和音ではなく「へ音(ファ)」のユニゾンであり、何か暗示的な雰囲気を感じさせます。
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