1891年に作曲されたドビュッシー初期の作品である「民謡の主題によるスコットランド行進曲」は、ドビュッシーが初めて委嘱を受けて作曲した作品と言われています。
委嘱はスコットランドの旧家であるロス伯爵家の子孫・メレディス・リード将軍によるもので、このことから1891年出版の楽譜では「いにしえのロス伯爵家の行進曲」というタイトルがつけられていました。4手のためのピアノ連弾曲として作曲されましたが、早い時期からドビュッシーはこの作品のオーケストラ化を考えていたようで、1908年にオーケストラ版が完成されています。
この木管8重奏の編曲は、埼玉県川口市立芝東中学校吹奏楽部(顧問・外崎三吉先生)の委嘱で、2011年度のアンサンブルコンテスト演奏曲として編曲、今回の出版に際し、多少の加筆と訂正を加えました。
ところで「行進曲」と名付けられていますが、一般的な行進曲とは性格・構成は大きく異なります。冒頭は行進曲風の4分の2拍子で開始されますが、中間部はテンポを大きく落とし「トリオ」というよりは「緩徐楽章」のような性格になります。後半では8分の6拍子と4分の2拍子が複雑に絡み合いながら徐々にテンポを上げ、最終的には冒頭と異なる8分の6拍子になります。
曲冒頭に提示される主題が、これら全ての部分を通して様々に変化しながら展開していきます。演奏する際には、上記のような曲の各部分の性格を十分に把握し、その上で旋律や伴奏の歌い方、リズムを組み立てることが重要です。
(小野寺真)
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