「白の焔(ほむら)」は、現実には存在しない“白い焔(ほむら・ほのお)”という空想的なイメージで作られた作品です。通常、焔(ほのお≒炎)といえば赤や青を連想しますが、ここではそれがあえて“白”で表現されることで、幻想と現実の境界線を揺蕩(たゆた)うような印象を与えます。軽快なリズムと揺らぎを感じさせる旋律で、音楽を形成しています。白く揺らめく焔の中、今にも消えそうで消えないその光は、儚さと静かな強さを宿した幻影。現実の輪郭をそっと手放し、音に乗って広がる想像の羽。その先に広がる幻想の風景を、音を通して描き出しています。
この作品は、2022年に発表した「白のトワイライト」に続く、“白”をテーマとした連作の一編です。
〇打楽器パートについて 任意の人数で加えることができます。1人で演奏できるパートもあり、様々な形で演奏できるようにしています。最大4パートに分かれていますが、例えば奏者が2人いたとして、1人がDrum Setパートを演奏し、もう1人がTimpaniやSuspended Cymbal、その他を補助的に演奏するなど、用意できる人数に合わせて工夫して演奏してみてください。(江原大介)
1982年東京都生まれ。東京音楽大学卒業、桐朋学園大学研究科を経て東京芸術大学大学院修士課程修了。これまでに作曲を有馬礼子、池辺晋一郎、糀場富美子、権代敦彦、安良岡章夫の各氏に師事。第1回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第1位受賞。
クラシック、現代音楽を中心に作曲活動をしてきたが、2009年全日本吹奏楽コンクール課題曲「躍動する魂」の作曲以後、吹奏楽作品を多く作曲、各社より録音、出版されている。
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