【スライドホイッスル三重奏曲】
スライドホイッスルは気鳴楽器で、奇数倍音列を持つ閉管構造の管楽器である。トロンボーンのようなスライドを持ち、これを動かすことで音を段階なしに変化させる。合奏においては多くは打楽器奏者が担当し、楽器の使用法としては効果音的な扱われ方になることが多い。音の指定の仕方は絶対音ではなく相対音による図形的な記譜が多く、本作も同様に、ほぼ全編にわたって相対音による記譜法を用いている。
楽曲構成は、テーマが奏され、次にスライドホイッスルでの演奏を前提とした性格的なモチーフが奏され、その性格とテーマが融合したものが奏され、そしてまた新しい性格的なモチーフが奏され…というリトルネッロ形式のような展開を持つ。なお、全曲中の最後にだけ絶対音による音高指定をした。楽器の一般的な使用法や冒頭からの連続性から鑑みると、この「オチ」は極めて異質に響くだろう。
スライドホイッスルという楽器はメーカーや機種によって音域、音質、吹奏感、スライドの抵抗などの個体差が大きい。よって使用楽器の選択が重要となってくるが、作曲者としては3本とも同じ種類の楽器を使用するか、3本とも違う種類の楽器を使用するかのいずれかを推奨したい。
【スライドホイッスル二重奏のための「カプリチオ」】
スライドホイッスル二重奏のための「カプリチオ」は、楽器の持つキャラクターを活かしたコミカルな小品である。1分にも満たないこの小品はアットホームな機会やアンコールに最適。使用楽器の選択は、2本とも違う種類の楽器を使用するのを推奨する。(山本哲也)
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