作品情報
本作は、デビュー20周年を迎えた井上幸子さんのために、2019〜2020年の2年にわたって作曲した2連ソナタの第1作目です。
テーマは『冬』。副題もまさに厳冬。井上さんが幼い時から暮らした北海道、そして修行時代に過ごしたフィンランドという、冬そのものがご自身のアイデンティティとなっているとの談話がとても印象的でした。ソナタ形式を借りながら、なかなか晴れない空と冷たさの中に生きる力強さと、透明な白い光、というドラマを描いてみることにしました。メランコリックだけど力強さもうかがえる第1主題、冬だからこそ感じられる温かさをうたう第2主題、刻々と状況が変化する展開部、そして再現部の終盤でやっとダイヤモンド・ダストが場を飾りますが、その平和にも感じる景色と裏腹に、やはり続いていく厳しい冬を示して終結します。
-
バスクラリネット・ソナタ 第1番:ダイヤモンド・ダスト SONATA for Bass Clarinet No.1 "Diamond Dust" 作曲: 福田洋介(Yosuke Fukuda) |
---|
![]() |
編成:クラリネット - ソロ
- Bass Clarinet
- Piano
福田洋介(Yosuke Fukuda)
1975年東京杉並生まれ。
幼少より音楽に愛着を持ちシンセサイザー等で遊び、11歳よりDTMシステムによる音楽作りを始める。現在まで作・編曲は独学。そして中学、高校と吹奏楽を続ける。高校在学中に商業演劇の音楽を担当。その後演劇・舞踊・映画・TV・イベント等の音楽製作、吹奏楽・管弦楽・室内楽の作・編曲および指導・指揮に力を注ぐ。
吹奏楽やアンサンブルのCDや楽譜を各社より多数出版。佐渡裕&シエナWO、金聖響&シエナWO、テレビ朝日「題名のない音楽会21」などのアレンジャーとしても好評を博す。その他、学生団体・一般団体の常任・客演指揮も務めている。
ダイナミックかつシンフォニックな音楽から、一度聞いたら忘れられない透明でシンプルな音楽まで、あらゆる姿の音を紡ぎ出すその作風に、各方面からの評価と信頼が高い。
Sherpas(サキソフォンラージアンサンブル)音楽監督、すぎなみ彩楽ウインドシンフォニー 音楽監督、NHK「アリーmyラブ」「ダーマ&グレッグ」「ロズウェル」等 日本語版オープニング/エンディング曲担当、映画「月のあかり」音楽担当、さくらのうた(第22回朝日作曲賞・2012年度AJBAコンクール課題曲)、吹奏楽のための「風之舞」(第14回朝日作曲賞・2004年度AJBAコンクール課題曲)、KA-GU-RA for Band(JBA下谷賞・佳作)、シンフォニック・ダンス(航空自衛隊中部航空音楽隊委嘱)。