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試聴・サンプル
商品紹介
ホリゾンタル・スタディ Horizontal Study 作曲: 山本哲也 (Tetsuya Yamamoto) |
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言葉遊びの一種で「つみあげうた」というものがある。マザーグースの《これはジャックのたてたいえ》や、谷川俊太郎の《これはのみのぴこ》などに代表される、ある文章の後に文をどんどん継ぎ足していく言葉遊びである。これを音楽に転用し、3小節(約6秒間)の性格的な断片を繰り返しのたびに後にどんどん継ぎ足していく音楽を構想した。各断片は初回の登場時はユニゾンで提示され、繰り返されるたびに発音のタイミングがずれたりリズムが複雑になることで、ポリリズムやカオスを形成することとなる。
本作で登場する8種類の断片の詳細は以下の通り。
(1) 低音域によるスラップタンギング
(2) テヌートとスタッカートを伴う跳躍
(3) 最高音域による弱奏
(4) 完全5度を中心としたダブルタンギング
(5) 高速ダブルトリルとクレッシェンド
(6) 特殊奏法によるビートボックスの模倣
(7) 縦横無尽に駆け回る快速なスケール
(8) クラリネット作品15曲の冒頭の音によるコラージュ
- (I) R.Schumann / Fantasiestucke, Op.73
- (II) W.A.Mozart / Clarinet Concerto in A major, K.622
- (III) T.Yamamoto / Universal Study
- (IV) T.Takemitsu / Fantasma/Cantos
- (V) C.M.v.Weber / Grand Duo Concertant, Op.48
- (VI) I.Stravinsky / Ebony Concerto
- (VII) C.Saint-Saens / Clarinet Sonata, Op.167
- (VIII) F.Mendelssohn / Konzertstuck No.2, Op.114
- (IX) L.Berio / Sequenza IX
- (X) C.Debussy / Premiere rhapsodie
- (XI) J.Brahms / Clarinet Sonata No.2, Op.120-2
- (XII) O.Messiaen / Abime des oiseaux
- (XIII) F.Schubert / Der Hirt auf dem Felsen, D.965
- (XIV) B.Bartok / Contrasts, Sz.111
- (XV) I.Yun / Clarinet Concerto
各サイクルの最後には、スラップタンギングのアタックを伴うロングトーンのクレッシェンドがコーダとして付く。曲が進むにつれて和音の音域が広くなり、持続時間も長くなる。(山本哲也)
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編成:クラリネット - 4重奏
- Bb Clarinet 1
- Bb Clarinet 2
- Bb Clarinet 3
- Bass Clarinet
編成・カットなどの変更が生じる際は、編曲利用申請書をご提出ください。
編曲利用申請に関する注意事項
山本哲也 (Tetsuya Yamamoto)
1989年長野県生まれ。国立音楽大学大学院を修了後に渡仏、マルセイユ地方音楽院、リヨン国立高等音楽院で学ぶ。作曲を川島素晴、北爪道夫、R.カンポ、P.ユレル、M.マタロンの各氏に師事した。
イル=ド=フランス国立管弦楽団主催の作曲コンクール「Ile de creations 2018」優勝、第38回V.ブッキ賞国際作曲コンテストファイナリスト、第4回E.デニソフ国際作曲コンクール第2位、第6回A.ドヴォルザーク国際作曲コンクール第1位および特別賞、日本現代音楽協会第27回現音作曲新人賞など、国内外のコンクールや作品公募において受賞・入選を重ねている。2018年5月にはラジオフランスの番組「Creation mondiale」にて、オーケストラ作品『In the circle...』を中心とした30分の特集番組が放送された。
日仏現代音楽協会会員。パリ在住。
WEB: http://www.tetsuyayamamoto.net