作曲家、ピアニストという活動の傍ら、ハンガリーの民謡研究にも積極的に取り組んでいたことは有名で、その研究から得られた音楽性は彼の作風に強く影響を与えている。また、音列作曲法、黄金比やフィボナッチ数列の音楽的応用も作曲に取り入れることで、他の作曲家には見られない独特の音楽を編み上げている。
ディヴェルティメント(日本では「弦楽のためのディヴェルティメント」と訳されている)は、当時親交のあった指揮者パウル・ザッハー率いるバーゼル室内管弦楽団のために、弦楽5部による3楽章形式の作品として作曲された。
1939年の作曲ということで、バルトークのほぼ最後期にあたり、同時期の作品として「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」「管弦楽のための協奏曲」「弦楽四重奏第6番」等がある。
この曲では、バロック時代のコンチェルト・グソッロ(合奏協奏曲)という、独奏楽器群と合奏群の交代で曲が進むスタイルが採用されている。
タイトルのディヴェルティメントとは、気分的に明るく気晴らしになるような器楽組曲のスタイルとして18世紀に現れ、日本語では「嬉遊曲」と訳されている。
第1楽章アレグロ・ノン・トロッポ
大変明快で明るい音楽性、民謡から影響を受けた痕跡の残るメロディ、シンメトリカルなリズムなどが前面に押し出されており、円熟したバルトーク節が見受けられる。
第2楽章はモルト・アダージョ。
第1、第3楽章とは極めて対照的な暗い性格をもつ。ABAの三部形式で、不穏な雰囲気を放つ半音階進行が対位法的に用いられ、シンプルな構成でいながら最もバルトークらしい響きを持っている。
第3楽章はアレグロ・アッサイのロンドソナタ形式。
力強くリズミカルな部分と繊細な弱奏部分のコントラストが映える。
Bb Clarinetsは各パート2人、その他全てのパートは各1人という編成を念頭に編曲した。演奏に際しては、これ沿った人数が音量バランスの取れた編成となる。
渡部謙一(北海道教育大学 准教授)氏による、真に価値ある吹奏楽作品プロデュース研究(スーパーウィンズ)の一環で委嘱・制作された作品。
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