『合奏の芽』は、既刊『合奏の種』に続く吹奏楽のためのやさしく楽しい5曲からなる合奏曲集です。
『合奏の種』は、はじめて楽器を手にしたバンドのメンバーが演奏の楽しさを体験し、その楽しさを通して合奏の基本を学ぶことを目的としてつくられましたが、この『合奏の芽』は、その名が示唆しているように、 ある程度合奏を体験し、楽器の演奏に慣れてきたメンバーが、さらに多様な音楽の内容やスタイルについて学び、幅広く柔軟で多角的な表現力を身につけることを目指しています。
まず『合奏の種』で基本を学んだ後にこの『合奏の芽』に進まれることをおすすめしますが、楽器経験者の多いバンドや高校バンドは、この『合奏の芽』からスタートしてもよいでしょう。
さらにおすすめしたいのは、メンバーの学年や経験にかかわらず、コンクール・シーズン後の練習曲集としての活用です。昨今は少子化が進み、ほとんどのスクール・バンドでは、演奏経験の乏しい新入生もコンクールの演奏メンバーとして加えなくてはならない状態です。
そして、仮に『合奏の種』を経験したとしても、新入生たちは(おそらく上級生も)コンクールの練習でかなり無理をさせられ、せっかく身につけた基本的な考えや演奏の喜びを忘れてしまっているのではないでしょうか。そのようなバンドには、リセットが必要です。
コンクールが終了してバンドが新しい体制になった時期に、あらためて基本に戻り、合奏の楽しさを思い出し、美しい音と音楽に対する耳を、楽譜上のさまざまな情報に対する目を、表現に対する幅広く柔軟な感覚を、そしてメンバーひとりひとりの意欲と責任感を養う上で、この『合奏の芽』は格好の教材と言えるでしょう。春は『合奏の種』、秋から冬にかけては『合奏の芽』というサイクルで、一年を通じて楽しく学ぶことができれば理想的です。
この曲集に含まれている5曲は、いずれも広く親しまれている美しく楽しいメロディーの編曲です。そして、ウォーム・アップにもなる練習曲、マーチ、コラール、ソロとバンドのための曲、 コンサート・ピースにもなる変奏曲と、音楽のタイプはいろいろ。
正しく楽譜を読む練習、アーティキュレーションの理解と表現のための練習、さまざまな調や、リズムや、拍子の練習、音楽のスタイルやフレージングに目を向ける練習など、学ぶ内容もバラエティ豊かで、そこには普段見過ごされがちなことが多く含まれています。
さあ、さっそく合奏を始めましょう。楽しく学び、楽しく上達しましょう。
セット内容:楽譜(スコア&パート譜:A4)/参考演奏CD/指導者の方々へ(解説書)
後藤 洋氏の企画・監修による基礎合奏シリーズ。種、芽、花、と段階を追いながら楽しくアンサンブルが楽しめるようになります。
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