初演は山形中央高校、指揮は佐藤誠基先生。「流星」を国立音大時代に初演してくれた仲間です。深石先生はその時に聴いていたので、解説を執筆していただきました。
今回、佐川先生と吹奏楽版を一緒に編曲して、色々試行錯誤しました。吹奏楽指導者として過去に何度も全国大会に行かれた先生のアドバイスは、とても参考になりました。
夜空に輝く無数の星達。流星群。その星の1つ1つにこめられたストーリー。この宇宙に存在する私達も、それぞれのストーリーがあり、広大な宇宙の中のはかない存在。水科先生がつけてくださったサブタイトルから、そんな光景が想像できます。また、市原先生の脚本がさらにイメージを豊かにしてくださいます。 多くの方達のご協力により、吹奏楽版が誕生しました。感謝申し上げます。
演奏にあたっては、吹奏楽の大迫力から、美しく繊細な表現まで、様々な場面が出てきます。アーティキュレーションに気をつけて演奏しましょう。バンドの人数によって、パートをカットしたり、プラスしたりしても結構です。また、この作品は2種類の演奏が可能です。コンクールではattaccaで1曲として。組曲でナレーションをつけて音楽物語として。さまざまな流星群を楽しみにしています。(三浦真理)
《流星群の物語》との出会いは、東北を代表する吹奏楽指導者であり、自身がトロンボーン奏者でもある佐藤誠基氏との何気ない会話から始まった。「真理さんが作った『流星』というトロンボーンアンサンブルの名曲がある…」。早速、本人に確かめたところ、売れっ子作曲家は作品数が膨大で、当初は作った記憶も楽譜のかけらも残っていなかったのである。しかしその後、三浦氏の微かな記憶と豊かな人脈を頼りに調べていったところ、国立音大の初演時のメンバーが丁寧に写譜したスコアと初演の録音テープが発見された。
国立音大のトロンボーン科の学生によって演奏された『流星』は三浦作品から一般的にイメージされる作風とは大きく異なるものであり、よい意味で期待を裏切るものであった。この曲がトロンボーンアンサンブルとして誕生したことを宿命とし、それを全うさせることもよいのかもしれないが、編成を変えて編曲し、演奏が重ねられることによって三浦真理の音楽の世界に新たな一面を示すことができるのではないかと考えた。
原曲からの最初の編曲は金管八重奏である。金管群の重厚なサウンドと色彩感によって中間部と前後のコントラストが明確になり、曲の構造や持ち味が伝わりやすくなった。しかし初演時の状況から、中高生が演奏するには演奏技術に加えて体力と耐久力が必要であることが分かり、その点が大きな課題となった。そこで、吹奏楽編成によって各パートの負担を軽減しつつ、小編成の吹奏楽でも演奏できるような柔軟な楽器編成であれば三浦氏が描いた「壮大な宇宙における星々の物語」を的確に表せるのではないかと考えた。
本編曲では基本的な小編成に加えてオプショナルパートが設けられているが、これは各団体の事情によって自由に組み合わせて構わない。金管、木管、打楽器の各パートがそれぞれの特長を生かしながら関わり合い、助け合いながら曲が進んでいくように配慮している。全てのパートが、そして一人一人の演奏が時には主役となり、時には他のパートを支える楽しさを味わって演奏できる。音楽の流れの中に星々の物語を感じながら演奏を楽しんでいただきたい。
私は国立音楽大学でトロンボーンを専攻していました。毎日毎日、飽きもせずにトロンボーンアンサンブルの練習をしたものです。3年になった時、私はトロンボーン研究室のリーダーとなりました。当時、作曲科に在籍していた三浦真理先輩にトロンボーン10重奏を依頼しました。そして完成したのが「トロンボーンアンサンブルのための流星」。演奏するには本当に難しく、、しかし、その美しさは、それまでには経験したことのないものでした。演奏者全員で感動したのを覚えています。
それから40年。三浦先輩は有名な作曲家として、その地位を築いていました。そして、まさかの演奏依頼。しかもあの流星が吹奏楽として編曲されたものでした。胸が高まりました。演奏困難な場所も多くあり、大学生だった同時の私たちでも何度も挫折しかけました。それなのに、高校生がはたしてできるのか、、。しかし、練習が始まったらその悩みは消えたのです。やはり、音楽の持っている力はとても強く生徒たちの心を掴んでいました。
今回の編曲では曲名のバージョンアップがありました。「流星群の物語 はかなくも壮大な宇宙へ 」素晴らしい題名だと思います。大規模な流星群は宇宙の始まりすら思い出す、大迫力の絶大な空間。そして、美しい流星を連想する静かで優しい流れ星たちの世界。それは音楽のはずなのに、まるで短編映画を見るような充実感を味わう事ができるのです。
是非、多くの方に演奏していただき、スケールの大きい宇宙を体感してほしいと思います。素晴らしい曲を作曲していただいた三浦真理先生、そして演奏し易く編曲していただいた山形大学教授の佐川馨先生に心から感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
《流星群の物語》との出会いは、東北を代表する吹奏楽指導者であり、自身がトロンボーン奏者でもある佐藤誠基氏との何気ない会話から始まった。「真理さんが作った『流星』というトロンボーンアンサンブルの名曲がある…」。早速、本人に確かめたところ、売れっ子作曲家は作品数が膨大で、当初は作った記憶も楽譜のかけらも残っていなかったのである。しかしその後、三浦氏の微かな記憶と豊かな人脈を頼りに調べていったところ、国立音大の初演時のメンバーが丁寧に写譜したスコアと初演の録音テープが発見された。
国立音大のトロンボーン科の学生によって演奏された『流星』は三浦作品から一般的にイメージされる作風とは大きく異なるものであり、よい意味で期待を裏切るものであった。この曲がトロンボーンアンサンブルとして誕生したことを宿命とし、それを全うさせることもよいのかもしれないが、編成を変えて編曲し、演奏が重ねられることによって三浦真理の音楽の世界に新たな一面を示すことができるのではないかと考えた。
原曲からの最初の編曲は金管八重奏である。金管群の重厚なサウンドと色彩感によって中間部と前後のコントラストが明確になり、曲の構造や持ち味が伝わりやすくなった。しかし初演時の状況から、中高生が演奏するには演奏技術に加えて体力と耐久力が必要であることが分かり、その点が大きな課題となった。そこで、吹奏楽編成によって各パートの負担を軽減しつつ、小編成の吹奏楽でも演奏できるような柔軟な楽器編成であれば三浦氏が描いた「壮大な宇宙における星々の物語」を的確に表せるのではないかと考えた。
本編曲では基本的な小編成に加えてオプショナルパートが設けられているが、これは各団体の事情によって自由に組み合わせて構わない。金管、木管、打楽器の各パートがそれぞれの特長を生かしながら関わり合い、助け合いながら曲が進んでいくように配慮している。全てのパートが、そして一人一人の演奏が時には主役となり、時には他のパートを支える楽しさを味わって演奏できる。音楽の流れの中に星々の物語を感じながら演奏を楽しんでいただきたい。(佐川馨)
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