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実はここのところ、個人的にあんまりピンとくるものがなかったベリアトの新作(お好きな方ごめんなさい)。あまり大きく期待せずお試しに聞いてみたら、あらまぁ結構いいかも。アッペルモントやレナールツが今回入っていなくて、なんだか知らない名前が多く不安だったのですが、みなさんいい仕事してます。
イチオシは、ドビュッシーの「前奏曲集」。カレル・デスールさんという、今まで聞いたことのない方のアレンジですが、楽器の使い方がうまくて、かなりいい雰囲気に仕上がってます。
特に「風変わりなラヴィーヌ将軍」でトランペットとシロフォンが演奏する♪ソソドドーの感じといい、次々出てくるソロといい、聞いていてほんとワクワクします。「ヒースの荒野」の美しいフルートとオーボエのソロ、「亜麻色の髪の乙女」の柔らかい木管楽器の音色、「ヴィーノの門」のハバネラのリズムに乗って奏でられる怪しげなダブルリードやミュートのメロディ、「ミンストレルズ」の人をバカにしたような滑稽さ、演奏者もかなりいい仕事してます・笑
もちろん、原曲がいいのは言うまでもありませんが。
たぶん、この雰囲気を醸し出すのはかなり難しいと思うんですが、アンサンブル的にはかなり勉強になるんじゃないかな、と。オススメです。
10曲目の「ロマンツァ」も結構お気に入り。メノ・ボスグラさんという方のオリジナル作品ですが、ノーツを読むと奥さんのために書いたバラードというじゃありませんか。もう説明は不要な感じですね。冒頭のイングリッシュホルン(かな)、とホルン(たぶん)のデュオで、5人は泣かせられます。コード使いも素敵。6分少々の曲なのでアンコールにもオススメですよ。
とはいえ、この2曲、早速楽譜を紹介しようと思って調べてみたのに、どうやらまだ出ていない模様m(__)m早速「出版予定はどうなってるんですか~?When?When??」と問い合わせを入れてありますので、分かり次第UPします。
せっかくなので収録曲のなかから楽譜が出ている唯一の作品は「神父ダーンス」。軽薄な私はタイトルだけ見て、神父さんが陽気にダンスするコメディ映画を想像してしまったのですが、全然まっっったく真逆で、オランダの言語差別を取り上げた深刻な映画でした。93年のアカデミー賞外国語映画賞と音楽賞にノミネートされた作品とのこと。
04年の大阪ヨーロッパ映画祭で特別上映され、その後日本語化はされていないようです。ぜひ見てみたいと思ったのですが残念。あらすじはこちらで ⇒ http://www.oeff.jp/article343.html
音楽は、じめっとした暗さや深刻さよりも希望を持って強く生きろ!と、メッセージを送ってくるような力強い作品で、中盤から出てくるケルト風のリズムも印象的な躍動的な作品です。
本当ならば映画を見て、物語を胸に描きながら演奏したいところですが、異国の差別問題から身近にあるいじめなど、あらゆる人と人との関係について思いを巡らせながら音楽に投影してゆくというのもいいのではないでしょうか。
(2009.07.02 フォスターミュージック通信)
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