三代ピアノ・ソナタのひとつ、第8番ハ短調作品13「悲愴」は、ベートーヴェン27 歳頃の初期の代表的なピアノ・ソナタです。
タイトルはめずらしくベートーヴェン自身がつけたものですが、「Pathetique」の「悲愴」という訳は少しずれがあるようです。「強く心を動かすもの、強い情動をかきたてるもの」という意味も持っています。いずれにせよ私たちにとって超名曲であることに変わりはないですね。
この楽譜は、世田谷学園中学校のアンサンブルコンテスト用としてアレンジしたものです。その時の生徒に合わせた編曲なので、やや不自然な部分があることをご了承ください。
序奏部分1st のソロは響きを大切にして、ロマンティックに演奏しましょう。1小節目の3拍目の八分音符は、そっと置くようにして、2小節目2拍目は3拍目に向かうように演奏してください。クロマティックの下降形はクレシェンド気味に。Aからドラマティックなテーマが始まります。バセットはダブルタンギングが必要になります。後でバスクラにも出てきますが、音域が低く音程も変わらないので比較的簡単です。この際クラリネットパート全員でダブルタンギングの練習をしてみてはどうでしょう。Aの5小節目から8小節目まで八分音符のリレーや、Dの5小節目から12小節目のような部分は、縦とスピードをしっかり合わせましょう。刻みの四分音符は、八分音符のメロディーと縦を合わせながら一気にエンディングに持っていってください。
続く第二楽章アダージョ・カンタービレは、クラシック音楽の中でも最もポピュラリティーのある曲の一つです。ビリー・ジョエルをはじめ、様々な演奏家が色々な形で演奏している美しいメロディーです。ピアノという音が減衰する楽器の曲をクラリネットでどのように歌うか考えることがとても重要で、楽しいことです。伴奏の音符はどこに向かっていくのか、細かなダイナミクスの変化を考えて演奏しましょう。
新潟県立巻高等学校卒業。武蔵野音楽大学でトロンボーンを坂本辰則氏に師事し卒業。
1993年から2008年までオブロークラリネットアンサンブルの代表を務める。2009年1月にクアトロ・パッツァを加藤純子と共に立ち上げる。
世田谷学園、世田谷おぼっちゃまーずとオブローの為に多数アレンジをしている。
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