タランテラは南イタリア、ナポリの急速な8分の6拍子または8分の3拍子の舞曲で、名前の由来は南イタリアの地名タラントから起こったとも、毒グモのタランチュラに噛まれると狂ったように踊りだす、という伝説から起こったとも言われていますが、この作品はタランチュラの伝説をスト-リー化して表現しています。
冒頭は非常に激しい音楽で幕開けし、Inquietoからはタランチュラが段々と近くに忍び寄ってくる様子を描いています。そして連符が次々と重なり合いながら緊張感が高まり、Con animaではタランチュラに噛まれ、激痛と同時に死への恐怖、そして徐々に毒が回り始めて狂乱状態で踊りだします。しかしその状態も永遠に続くことはなく次第に体力も消耗し、Largamenteからは幻覚が見え始め、苦しみもなくなり一瞬天国にいるかのような気持ちになりますが、またすぐに現実に引き戻され最後は一気に毒が回りバタッと倒れて死んでしまいます。
この作品は各奏者に高い技術が要求されまたアンサンブルも難しい曲ですが、この物語のイメージを大切にして演奏して頂ければと思います。(東京都立小山台高等学校吹奏楽班委嘱作品)
(松下倫士)
東京藝術大学音楽学部作曲科を経て、2009年同大学院修士課程作曲専攻修了。卒業時に藝大同声会賞受賞。2014年東京音楽大学大学院修士課程伴奏科修了。これまでに第37回全四国音楽コンクール最優秀賞、日本交響楽振興財団第29回作曲賞、第5回北本ピアノコンクール最優秀賞、第22回宝塚ベガ音楽コンクールピアノ部門第2位、奏楽堂日本歌曲コンクール第19回作曲部門(一般部門)入選など多数受賞。東京フィルハーモニー交響楽団とラヴェルのピアノ協奏曲を共演。
近年は21世紀の吹奏楽“響宴”にて作品が取り上げられているほか、「土蜘蛛伝説」「巡礼歌」「2つの詩曲」などアンサンブル作品が全国各地で多数演奏され ている。 2012年には日本コロムビアよりCD「僕が僕であるために 尾崎豊 オン ピアノ」 (編曲・演奏)をリリース。また2014年に「夢見草 松下倫士ピアノソロアルバム」をリリース。伴奏ピアニストとしても活動し、多くの演奏家と共演し高く評価されている。
東京音楽大学、洗足学園音楽大学非常勤講師。21世紀の吹奏楽“響宴”会員。
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