ヴィーヴ!サクソフォン・クヮルテットの委嘱により2012年に作曲。同年6月13日に浜離宮朝日ホールで行なわれた同アンサンブルの第10回リサイタルで初演。
「convection」は「対流」と訳される。一般に対流は、液体が下から熱せられると同時に上から冷やされることで起きるとされる、循環する流れのこと。反する熱源は高音と低音に位置づけられており、曲はその両極の様子、その狭間で奔走する流れをイメージして作られている。
曲において、「高音と低音」は4重奏としての全体における音域を指す場合もあれば、個々の楽器の中での音域を指す場合もある。いずれにしろ、全音域に渡って均質性の高いサクソフォーンという楽器の「内部」における質感の違いを出すことに興味があった。
演奏に際しては、テンポは速いに越したことは無いが、何よりもアクセントの明確な表出に留意されたい。特に、小節の頭もさることながら「短いまとまり」の頭にあるアクセントは強調し、「挟み込まれた断片」を聴き手に意識させたい。練習番号173からがコーダとなるが、その前よりもテンションが落ちることは避けたい。ここでは常に前に進む意識で、stretta気味に創るのもよいだろう。
(中橋愛生)
1978年生。東京音楽大学作曲指揮専攻および同大学大学院を首席で修了。
2002年、第71回日本音楽コンクール作曲部門(管弦楽作品)第三位。2008年、第18回日本管打・吹奏楽アカデミー賞(作・編曲部門)受賞。2009年および2010 年、日本吹奏楽指導者協会「下谷奨励賞」受賞。また、執筆活動やCD 等の企画構成への参加も多く、2008 年4 月よりNHK-FM「吹奏楽のひびき」パーソナリティも務めている。
これまでに作曲を吉田峰明、池辺晋一郎、西村朗の各氏に、指揮法を汐澤安彦氏に師事。また、2000年より6年間、湯浅譲二氏のゼミ生および助手として薫陶を受ける。現在、東京音楽大学・国立音楽大学各講師、日本管打・吹奏楽学会理事、21世紀の吹奏楽" 響宴" 会員。
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