本作は、1988年度日本吹奏楽指導者協会(JBA)「下谷賞」入選作品です。
作曲当時、私は航空自衛隊航空中央音楽隊に所属しており、定期演奏会のシーズンには地方の音楽隊にフルートのエキストラとして参加することがありました。航空自衛隊には、東京都府中市の航空中央音楽隊のほか、青森県三沢市、静岡県浜松市、福岡県春日市、沖縄県那覇市にそれぞれ音楽隊があり、なかでも青森県三沢市の北部航空音楽隊への参加が多くありました。各音楽隊にはそれぞれニックネームがあり、航空中央音楽隊は「フライング・ハーモニー」、北部航空音楽隊は「ノーザン・エコー」と呼ばれていました。私はこの「ノーザン・エコー」という言葉の響きに強く惹かれ、そこから着想を得て本作を作曲しました。
マーチという形式ではありますが、作品には北国の平野から遠くに望む、雪をいただいた山々の情景を重ねています。その風景とともに響く「北の音(エコー)」を、音楽として描き出そうと試みた一曲です。
1952年神奈川県横浜市生まれ。1970年逗子開成高校卒業後、横浜消防音楽隊に入隊し、吹奏楽とマーチングを学ぶ。
1973年航空自衛隊に入隊し、現在、航空中央音楽隊フルート奏者。当時の隊長であり作曲家でもある、斎藤高順1 等空佐の勧めで作曲を学び、音楽隊の作編曲を手がけるようになる。フルートを野口龍氏、峰岸壮一氏に師事。作曲を故名取吾郎氏、編曲を稲森康利氏の各氏より学ぶ。
1981年初めて応募した作曲コンテストで、行進曲「風にのって」が笹川賞3 位に入賞。その後、1984年に行進曲「海の貴婦人」で笹川賞2 位を受賞したほか、1985年下谷賞優秀賞「バンド・マーチング・オン」、1986年笹川賞2 位マーチ「ライト・スタッフ」、1988年下谷賞優秀賞マーチ「ノーザンエコー」、1989年下谷賞佳作「太陽に向かって」、1993年には「マーチ・エイプリル・メイ」が全日本吹奏楽コンクール課題曲に選ばれ好評を得る。この功績を讃えられ、防衛功労賞第三級賞詞を受賞。1994年航空自衛隊創立40 周年を記念して作曲した「空の精鋭」が、航空自衛隊公式行進曲として採用され親しまれている。
主要作品に、航空自衛隊アクロバットチーム“ブルーインパルス”の依頼により作曲した、航空ショー用音楽「プルーインパルス・セレクション」、政府専用機機内用音楽「時を超える翼」、自衛隊音楽祭り序曲「飛翔」などがある。
現在、スーザ協会会員、作曲家集団「風の会」会員。航空自衛隊の歴史と伝統を活かしつつ、演奏者の実力を最大限に発揮し、明るく快活で迫力のある作風はブナ以外を問わず高く評価されている。
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