1981年度日本吹奏楽コンクールの課題曲として、委嘱を受け作曲した曲を、フレキシブル5重奏+打楽器に編曲したものです。日本の伝統的音楽・邦楽を基調にした《 和 》の追求の中で、民謡を素材とした曲です。西洋の管楽器で《 和 》の音空間を創り出す可能性を示した曲でもあります。
基本的に、J-ペンタトニック ( 第1種・民謡音階 ) で作曲していますから、フレキシブル編成にした場合の自由さは、独創性を生み出すことが可能です。楽器の音域により声部の上下交換なども、民謡らしくアドリブ的な対応ができ、違和はありません。
曲の内容構成は、原曲をそのまま引き継いでいます。前半は「南部牛追い唄」を中心にしたゆったりした自然の姿を、後半は「津軽じょんがら節」「庄内おばこ」「南部上がり甚句」を素材にした踊りの様子です。
前半は、accel, rit, を大胆に表現して、ファンタジックな歌の世界を創造します。後半の踊りは、ディヴェルティメント的な颯爽とした切れ味か必要です。打楽器が加わることは、必要十分な条件と云えます。締め太鼓+和太鼓 ( 櫓太鼓 ) の使用は、一層盛り上がります。
練習番号L ・コーダ からの2重奏は、指定された Partに拘らず、センスの良いプレイヤーに委ねることが、完成度を高めます。(櫛田 てつ之扶)
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