私は様々な理由があってこれまで中学生バンドからの委嘱作品は引受けていませんでした。
ですが同吹奏楽部顧問である桐生聡先生とはデビュー当時から親しくさせて頂いていることもあり、先生の熱い想いに心打たれ与えられた多くの制約(作品のテーマ、展開の仕方、個々の技量、ソロ楽器の指定やチャイムなどの現場で入手困難な楽器の使用禁止、演奏時間)のなかで作曲することを決意しました。
「ひまわり、15本」はオランダの画家・ゴッホ(1853 1890)のひまわりシリーズの中でも最後の作品で、署名もなく贋作とも呼ばれる認められない作品です。
桐生先生の「力がなくとも、途中の挫折は幾度となくあるが、気持ち・努力・情熱・狂気というほどのやる気で成長し、結果にむすびつく・・・たとえ認められないときがあったとしても」という言葉をもとに、この絵画とゴッホの人生の両面を描写しました。
桐生先生と生徒さんたちはこの曲で情熱のある演奏をコンクールで披露し、2010年には念願の西関東吹奏楽コンクール出場・金賞を受賞されました。
(八木澤教司)
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兵庫県西宮市在住。武蔵野音楽大学作曲学科卒業、同大学大学院音楽研究科修士課程修了。吹奏楽やアンサンブルの代表作は日本のみならずアメリカ、ヨーロッパ、アジア諸国、南米でも重要なレパートリーとなる。
2019年11月9日、天皇陛下御即位奉祝記念式典・国民祭典において天皇皇后両陛下「お出迎えのファンファーレ」として、東京2020パラリンピック開会式の式典音楽として作品がそれぞれ抜擢された。その他、ヨーロッパで歴史的権威のあるスペイン・バレンシア国際吹奏楽コンクールの課題曲に作品が選定、ミステリー映画「ソロモンの偽証・後篇」では「輝きの海へ」が挿入曲として使用されるなど活動は多岐に亘る。これまで全国植樹祭、全国高等学校総合体育大会、国民体育大会の式典音楽制作を歴任。各種コンクール審査員、客演指揮、指導、講演、音楽雑誌執筆に加え、音楽出版社のプロジェクトアドバイザーなどを務める。
合唱曲として手がけた「あすという日が」は、希望の歌、東日本大震災復興シンボル曲と称され、2011年第62回NHK紅白歌合戦において夏川りみ、秋川雅史の両氏によって熱唱された。第21回日本管打・吹奏楽 アカデミー賞 作・編曲部門(2011年)受賞、平成23年度 JBA下谷奨励賞を受賞。
2020年度より関東から関西に拠点を移し、神戸女学院大学音楽学部で作曲・音楽理論・吹奏楽の指導にあたる。
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