普段月など気にかけないで暮らしていましたが、ある時です、九州の新田原というところに訪れたとき、今までにない経験をしたのです。夜、一人で歩いていると、そこには街灯もなく月の光に全ての物がはっきりと見て取れるのでした。月は煌々と光を放ち目が眩しいほどでした。そしてその時初めて月の光による自分自身の影を見たのです。その印象があまりに強烈だったのを覚えています。
「月の宴」はそのときのインスピレーションから出来たものです。作曲に当たり自分なりにストーリーを描いてみました。
月も雲に隠され闇夜の中、もののけ達は息を潜め月の明かりを待っている。やがて雲も流れ、月が輝きを増すと辺り一面が青白い妖美な世界に変わり、今まで潜んでいた魑魅魍魎が一斉に繰り出し月の宴が始まる。
曲は5つのパートから出来ていて、レント・ミステリオーソで静かに始まり。雲に隠された月を暗示します。やがて急激なアッチェレランドを経て。変拍子のリズムの宴の模様を表現します。高音木管群で始まった宴の模様は全体に拡大し、次第に沈静化して、ユーフォニアムや木管群が歌い上げる叙情的なメロディの場面へと移ります。再び快活で活発なメロディにより宴の乱舞の模様を表し、曲が高揚した後、ピッコロ、イングリッシュ・ホルン、バスーンによる哀愁的なメロディが宴の休息を表し、やがて打楽器の変拍子のリズムにより冒頭のテーマが再現され、エンディングに向けて宴はさらに高揚して行きます。巫女の吹き鳴らす笛の音が響き渡り、宴は幕を閉じます。(矢部政男)
全曲版で演奏すると16分半という大作ですが、コンクールでも演奏できるよう作曲者によるカットがスコアに記載されています。コンクールでの演奏の際に参考にしてください。
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